「育てにくさ」はママのせいじゃない 〜発達特性のある子との向き合い方〜

  • どうしてうち子は、言うことを聞いてくれないの?
  • また怒ってしまった…私がダメな母親なのかな

そんなふうに悩んでいませんか?

あなたが一生懸命子どもと向き合っている証拠

そして、その“育てにくさ”は、ママのせいではありません。

発達障害やそのグレーゾーン(=診断はないけど特性がある)と言われる子どもたちは、

  • 気持ちをうまく言葉にできない
  • 感覚が敏感すぎる(感覚過敏)
  • 先の予定がわからないと不安になる

などの“特性”があることがあります。

これは性格やしつけの問題ではなく、生まれつきの脳のタイプの違いによるものです。

それなのに多くのママが「私の関わり方が悪いのかも…」と、自分を責めてしまうのです。

たとえば、

  • 急に大声で叫ぶ
  • 座っていられない
  • 同じことを何度も同じことを繰り返す
  • かんしゃくを起こす などの行動。

これは“わざと“ではなく、子どもなりの困っているサインであることも少なくありません。

心理学には【応用行動分析(ABA)】という考え方があります。

これは、【すべての行動には理由(=目的)がある】として、行動の背景を読み解くアプローチです。

たとえば

  • 叫ぶ
    ママに気づいてほしい
  • 逃げる
    怖くてやりたくない
  • かんしゃくを起こす
    感覚がつらい・予想外のことが起きた

まだうまく言葉で伝えられない子どもたちは、こうして行動で、気持ちを表現しているのです。

実際に4歳の息子さんを育てるママは、「毎朝泣いて暴れる息子に怒ってしまう」と悩んでいました。

でもお話を聞いていくと、息子さんには「先の見通しが立たないと不安になる」という特性があることが分かりました。

そこで、朝の支度を絵カードで見える化し、順番も固定。

すると、数日でかんしゃくが激減し、今では息子さんがカードを並べて準備を楽しむように✨

ママは「私がダメなんじゃなくて、この子に合う方法を知らなかっただけだったんですね」と涙を浮かべて話してくれました。

では、どう向き合えばいいのでしょうか?

3ステップで行動を見ていきましょう。

STEP

行動を観察する
どんなときに?直前・直後に何があったかを見てみましょう。

STEP

行動の理由(目的)を考える
ABAでは、行動の理由を4つに分けて考えます。
1. 注目してほしい
2. 嫌なことから逃げたい
3. 欲しいものがある
4. 感覚的に心地よい/不快を避けたい

STEP

小さな工夫を試す
・先に見通しを伝える
・絵カードやタイマーを使う
・「やめなさい」より「こうしてね」と教える
・できたことをしっかり褒める

「育てにくい」と感じているのは、子どものサインに気づいている証拠です

そして、あなたが一人で全部抱え込む必要はありません。

心理士などの支援職に相談することも、大切な愛情の形です。

完璧なママじゃなくていい。

“この子と一緒に考えていこう”と思えるその気持ちこそが、もう十分すぎるほど素敵です。

※クライエントの方には事前に掲載許可をいただいております。
なお、個人が特定されないよう一部内容に修正を加えています。