「ひらがなもカタカナも読めて、3歳で足し算まで。でも、すぐ怒ったり泣いたりして、集団に馴染めないことも多いんです…」
あるお母さんが、そう悩みを打ち明けてくれました。
そう悩み、何度もインターネットで検索してようやくたどり着いたのが、ギフテッドという言葉だったそうです。
ギフテッドとは、「認知的に高い能力のある子ども達のこと」。
たとえば、知的好奇心が強く、物事の本質を深く考える力に優れています。ただし、その知的な発達と情緒面や社会性の発達にギャップがあることが少なくありません。
そのため、家庭や学校では以下のような困りごとが出てくることがあります。
こうした子ども達は、ASDやADHDと重なる部分もありますが、支援のポイントが異なる場合もあります。
支援のポイント
できる子に見えるけど…
情緒面・行動面のサポートを丁寧に行いましょう。気持ちの切り替えが難しいときは、「深呼吸してみよう」「絵にしてみよう」といった声かけも有効です。
選択肢を与える
「すぐやって」「早くしなさい」といった一方的な声かけではなく、「どっちから始める?」「ここまではどう思う?」など、自分で選べる余地を与えると納得感が高まり、動きやすくなることがあります。
怒りの反応が返ってくるときは
大人顔負けの反論や批判をしてくることもあります。言っている内容よりも、気持ちに注目し、「怒っているのは困っているサインかも」と受け止める姿勢が安心につながります。
得意を伸ばしつつ、苦手を責めない
得意分野を通じて、社会性や感情の調整を学ぶ機会を設けることも効果的です。たとえば、好きな図鑑を使って友達と調べ学習をするなどもいいでしょう。
ラベルより、まなざしを。
ギフテッドという言葉は、診断名ではありません。けれど、”なんとなく育てにくい”、”どこか独特”という気づきが大きな第一歩です。
完璧な対応を目指す必要はありません。
まずは、「この子がどんな風に世界を見ているのかな?」と想像してみてください。少しずつ、その子らしさに寄り添えるヒントが見えてくるはずです。
※クライエントの方には事前に掲載許可をいただいております。
なお、個人が特定されないよう一部内容に修正を加えています。