「そろそろお風呂に入ろうね」と声をかけたり、「あと1回だけ遊んだらね」と約束したり。
工夫しているのに子どもが泣いて動けなくなってしまうことはありませんか?
実は、診断の有無にかかわらず、「気持ちの切り替えが苦手」というお子さんは少なくありません。
特に発達障害やグレーゾーンのお子さんは、遊びからお風呂、家から園や学校へといった日常の切り替えが必要な場面でつまずきやすい傾向にあります。
なぜ切り替えが難しいの?
- 見通しがもてないと不安になりやすい
- 夢中になっていることから注意を切り替えにくい
- 高ぶった気持ちが落ち着くまでに時間がかかる
これらは、「わがまま」ではなく『脳の特性』によるものです。
だから工夫してもすぐにうまくはいかないことがあるのです。
それでも難しいときにできる工夫
声かけや予告をしてもうまくいかないときに、役立つ関わり方をご紹介します。
「まだ遊びたいんだね」だけでなく、「切り替えるのって難しいよね」と声をかけてみましょう。子どもは状況を代弁してもらえると、安心しやすくなります。
「本当はもう少し遊ばせたい気持ちもあるよ。でも時間もあるから一緒に頑張ろう」と伝えると、親子の信頼関係が深まります。
「今日は難しかったね。でもまた練習していこうね」と声をかければ、失敗を「ダメなこと」とせず、次につなげられます。ほんの少しでも切り替えができたときは、一緒に喜ぶことが、子どもの大きな自信につながります。
ママ・パパへのメッセージ
大切なのは、「うまくいかない日があっても、それは親のせいではない」と知ることです。
子どもの特性は声かけ一つで劇的に変わるものではありません。
「またダメだった」「私の言い方が悪かったのかも」と自分を責める必要はありません。
イライラしてしまうのも、毎日一生懸命に向き合っているからこその自然な気持ちです。
そして、そのためには『親自身の心を整えること』も大切です。
深呼吸する、好きな飲み物で一息つく、信頼できる人に話す…。
そんな小さな工夫をもっているだけで、子どもにも落ち着いて寄り添いやすくなります。
子どもが動けないとき、あえて『待つ』こともひとつの方法です。大人が焦って急かすと、子どもは混乱しやすくなります。