“わがまま”じゃない。“特性”があるだけ〜発達障害グレーゾーンの子どもの行動をどう見ればいい?〜

  • どうしてこんなに頑固なの?
  • こだわりが強くて困る…

そんなふうに感じるお子さんの行動に、日々疲れていませんか?

特に、発達障害の診断がついていないと、「私の育て方が悪いのかな?」と自分を責めてしまう方も少なくありません。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。

その行動は、わがままではなく、“特性”のサインかもしれません。

【困った行動】の裏には、“安心したい”気持ちがあるかも

たとえば、こんな行動に心当たりはありませんか?

  • 勝ち負けにこだわる
  • 決まった順番でないとパニックになる
  • 服のタグや靴下の感触を嫌がる
  • 同じ話を繰り返す

これらは一見、融通がきかない・しつこい行動に見えるかもしれません。

でも、発達障害やそのグレーゾーンの子どもたちは、環境の変化や刺激に敏感です。

つまり、「決まった流れでないと不安になる」「感触が辛くて集中できない」など、本人にとって切実な理由があるのです。

【リフレーミング】で、見方を変える

【リフレーミング】とは、行動の見方をポジティブに言い換えることです。

困った行動にも意味や理由があると気づくことで、親の心も軽くなります。

<スクロールで見ることができます>

子どもの行動よくある見方言い換えのヒント
(リフレーミング)
勝ち負けにこだわる負けず嫌いで困る頑張る気持ちが強いんだな
決まった服しか着ないワガママ安心できる感覚を大事にしているのかも
気持ちの切り替えが苦手ぐずっている気持ちを整理するのに時間が必要なのかも
同じ話を繰り返すしつこい大事な気持ちを共有したいサインかも

こうした見方の変化は、子どもの行動への理解を深めるだけでなく、親のイライラや不安もやわらげてくれます。

周囲に伝えるときの“やさしい言い換え”

保育園・学校など周囲に特性を伝えるのが難しいと感じる方も多いです。

そんなときは、表現を少し変えて伝えると、相手の受け取り方も柔らかくなります。

  • こだわりが強い
    安心できるやり方を大切にしているようです
  • 指示が通りにくい
    ひとつひとつ丁寧に伝えると入りやすいようです
  • 感情の起伏が激しい
    感覚が繊細で、刺激に敏感なところがあります

こうした言い換えは、子どもの特性を肯定的に伝えつつ、支援してほしいポイントも自然に伝えることができます。

さいごに:ママ、あなたのせいじゃありません

発達障害やグレーゾーンの特性は、“見えにくいけれど、確かにある”ものです。

診断があるかないかに関わらず、「育てにくい」と感じるあなたの感覚は子どもをよく見ている証。

それは愛情の表れです。

「この子には特性があるのかも」とやさしいまなざしで見つめてみてください。

それだけで、親子の毎日は少しずつ変わっていきます。

投稿のシェア、よろしくお願いいたします!
ABOUT US
ちこママ臨床心理士、公認心理師
精神科・教育・産業など多領域で5000人以上を支援。現在は認知行動療法をベースに、育児に悩むママへの心のサポートに注力しています。