音読のあとに計算カード…もうヘトヘト?宿題のサポート方法

「先生!音読のあとに計算カード…毎晩ヘトヘト」

そんな声を、特に共働きのご家庭から多く聞きます。

低学年の宿題でよく出される“計算カード”は、足し算・引き算・かけ算の答えをテンポよく唱える練習です。

ただ子ども一人でなんとなくやってしまい、間違った答えを覚えてしまうケースもあります。

夕方の忙しい時間帯は、宿題に時間がかかり、親にとって大きな負担になりがちです。 

計算に大切なのは“量の感覚”

まず知っておいてほしいのは、低学年で習う足し算や引き算、かけ算の本質は、“量のやりとり”や“まとまりの数”を理解することです。

たとえば、「3+2」は「3つのものと2つのものを合わせると、いくつ?」というイメージがもてているかどうか。

計算カードに取り組む前に抽象的な“量の感覚”がまず育っているかを確認することが大切です。

計算カードの目的は“暗記とスピード練習”

計算カードの目的は、量の感覚が育ったうえで“計算をスムーズに解ける力”を暗記によって定着させることにあります。

なぜスピードが大切かというと、4年生以降の「分数」「小数」「面積」などの学習では、基本の計算がスムーズにできることが土台になるからです。

中学・高校でも、「5+7=12」や「6×7=42」と瞬時に答えられる力はとても重要です。

スピードを高めるための練習は「量の意味を理解しているか」を大人が確認しながら取り組むのがおすすめです。

楽しく続けるための工夫

  • 答えをあえて“見せてOK”にする
    安心して繰り返すうちに自然に覚えていきます。量も無理して全部やらずに20枚ずつなど、工夫するとよいお子さんもいます。
  • テンポよくめくる(フラッシュカード風)
    スピード感が出てゲームのように楽しめます。
  • ゲーム感覚でやる
    「10枚中何枚答えられるか」「神経衰弱のようにして答えが同じものをめくる」「何秒でできるか」など、遊びの要素を取り入れてみて。
  • 親が“わざと間違えてみる”
    「それ違うよ!」と指摘できると、子どもが自信をもてます。
  • YouTubeなどの動画を活用する
    再生速度も調整できて便利です。一緒に見ながら、できたものをほめるようにすると前向きに取り組めます。

最後に伝えたいこと

「うちの子、全然やる気がなくて」と感じても、やる気だけの問題とは限りません。

処理に時間がかかるタイプの子や、視線の動かし方が苦手な子もいます。

また、量の感覚がわからないことで、計算を苦痛に感じる子もいるのです。

子どもに合ったやり方を少しずつ、一緒に探していくことが大切です。

そして、「私が頑張りすぎなくていい」と、どうかご自身を責めずにいてください。

学び方は一人ひとり違っていい。

お子さんが楽しく力を伸ばしていけるように、一緒に合った方法を見つけていきましょう。

投稿のシェア、よろしくお願いいたします!
ABOUT US
平井 智子
教育現場20年超。特別支援学級や通常級の担任経験を経て、子育ての悩みに寄り添った支援をしています。