「ひらがなは入学するまでに書けた方が良いのかも」と心配になる保護者の方もいるかもしれません。
確かに、ひらがなが読めたり書けたりすることは学校生活の中で役に立ちますが、そのためには段階を踏む必要があります。
今回は、ひらがなの読み書きに必要な「レディネス(ひらがなの読み書きスキルを身に付けるための準備状態)」とそれを育てる方法について、お話していこうと思います。
読み書きに必要な6つの「レディネス」
1・2は読み書きに共通した力
3・4は読み
5・6は書き
に関連しています。
読めてから書けるようになる流れが一般的ですが、興味・関心や発達状況などにより個人差もあります。
- 文字の形を見分ける力:
例「さ」と「き」を別の文字として認識する力 - 文字が、音や意味を表すことを理解する力:
記号ではなく、「意味のあるもの」として文字を見る力 - 1文字1音の仕組みを理解する力:
ひらがなは原則として、1文字が1つの音を表しています。 - 音韻意識:
頭の中でことばの音をイメージする力、しりとりや「グリコ」などの遊びができるかどうかが目安で、4~6歳頃までに育つとされています。 - 手先の操作:
鉛筆をうまく使って、文字を書く力 - 目と手の協応:
見たものを正確に書き取る力
レディネスを育てる遊び
机に向かって練習するだけでなく、日常の遊びの中でも楽しく育てることができます。
今まで私が行ってきた療育の中で、楽しく取り組めた遊びをご紹介します。
触れる名札作り
かるた作り
音韻意識などを育てるための活動で、お子さんが描いた絵にひらがなを添えて、自分だけのかるたを作る遊びです。
音と文字の繋がりを意識しやすくなります。
完成後も、家族で遊ぶことで、繰り返し楽しく学べます。
その他おすすめの遊び
パズル:形の認識力を高めます。
塗り絵、なぞり書き:手先の操作を楽しく練習できます。
まとめ:ひらがな習得は「楽しく・興味のある時に」
ひらがなが自然に身につくのは、こうした土台が育ったあとです。
無理に書かせるよりも、お子さんがひらがなに興味をもったタイミングで!楽しく!取り組めるとよいですね。
ひらがなへの興味を引き出したり、音韻意識を育てたりするための活動。
お子さんの名前をモールで形作り、フエルトに貼ります。
文字を視覚(出来上がった名札)や聴覚(普段聞くひらがなの音)だけでなく、触覚でも感じられ、印象に残りやすくなります。
形に残せるため、達成感も得られます。